今週のお題「鬼」
今週のお題「鬼」
今週のお題は鬼。私が鬼と聞いて思い浮かべるのは祖母だ。
何故、祖母を思い出すのか。
大きく分けて3つの理由がある。
まず1つ目。
鬼のような人使いの荒さ。
これは私が生まれて30年、そこから全く変わっていない。
特に祖父は1番の被害者だ。
祖母は模様替えが大好きで、ご飯を食べるのも惜しんで模様替えを行う。
ただし、監督役としてだ。
実際に模様替えを行うのは祖父で、食器棚やテレビはもちろん、マッサージチェアも1人で運ぶ事を余儀なくされる。
おかげで我が家の床は傷だらけ。まだ新築3年目だが、もう諦めた。
やはり現場監督には逆らえない。
今日も祖父は模様替えを行っているのだろう。帰宅するのが怖い。
2つ目は鬼のような生命力。
祖母はここ6年で3度、余命宣告を受けている。
毎回、医者に言われる言葉は「もって半年です。覚悟しておいてください。」だ。
確かに私たちから見ても、もう長くないと覚悟を決めるほど衰弱していた。
しかし祖母は回復する。
医者も毎回驚いている。
3度目の余命宣告は半年前だったが今ではすっかり現場監督に復帰している。
そして3つ目は鬼の目にも涙だ。
私はここ最近、初めて祖母の涙を見た。
今まで一度も泣いている姿を見たことがなかったため私は驚愕した。
原因はあまりのワガママぶりに母がブチギレて
「そんなワガママ言ってるんだったら介護施設入れるからね!!」の一言だった。
その瞬間、祖母も人間なのだと実感した。
きっと祖母は私たちにかまってもらいたい一心でそのような行動をしていたのだと。
私たち、家族を愛しているのだと。
だから多少のワガママは許そう。そう思った。
1時間後、私と祖父はマッサージチェアを運んでいた。
やはり祖母は鬼だった。